前回に引き続き、尿路結石の予防についてのレポートを行いたいと思います。

尿路結石には様々な種類があるようなのですが、その中でも1番多いのが「シュウ酸カルシウム結石」です。全体の80%をシュウ酸カルシウム結石が占めていると言う報告があります。

つまり、シュウ酸カルシウム結石さえ防げば、尿路結石をかなりの確率で予防出来ることになります。

まずは尿路結石を予防する食事の摂り方、次にシュウ酸が多い食品について解説します。

実のところ、シュウ酸の含有量というのは詳しいことは分かっていません。

食品の栄養の分析は主に国が行っています。しかし、国(厚生労働省や文部科学省)のデータを探してみても、どこにもシュウ酸の項目が無いのです。

確実にシュウ酸が入っていると分かっているのはホウレンソウくらいです。ネットでシュウ酸を含む食品について検索すると色々と出てきますが、どれもソースが不明なので信憑性に欠ける。

そこで今回は、自分自身の目でシュウ酸が入っているか入っていないかを確かめる方法をご紹介します。

「シュウ酸カルシウム結石」とは?

シュウ酸カルシウム結石は、シュウ酸カルシウムが結合して出来た物質です。

シュウ酸は野菜類全般に含まれていると言われています。

様々な食品にシュウ酸が入っていることを考えると、完全にゼロにするのは現実的ではありません。

しかし、尿の中に必要以上にシュウ酸が増えないようにすることは可能です。

まずは、十分な水分補給です。1日・水1.5~2リットルが目安。(水をどんどん飲んで、シュウ酸を洗い流してしまうイメージ)

次に食事です。食べ方と、食べる内容に気をつける必要があります。

注)水を飲み過ぎると頻尿になってしまうので注意。水の適量は、季節や体質によって全く異なります。

汗をかく夏はより多くの水分を必要とするが、逆に冬は水分の必要量は少なくなる。当然ですね。

水分の適量は後ほど解説します。

尿路結石を防ぐ食べ合わせ

昔は、カルシウムを摂ると結石になると言われていたそうですが、今では逆に、カルシウムは積極的に摂ったほうが良いというのが定説になっているようです。

カルシウムにはシュウ酸を安全に排出する効果があると分かってきたからです。

実際、尿路結石の患者さんの再発率を調査したところ、「高シュウ酸尿」の割合が高く、「高カルシウム尿」は再発率に関係なかったそうです。

結石の再発率調査でも高カルシウム尿の有無は再発率に影響はなく,むしろ高蓚酸尿の頻度が高いことがわかっています.つまり尿中の蓚酸を減らすことが大切なのです.そのためにはカルシウムを多めに摂取し,腸管内で蓚酸と結合させ(この結合物は体内に吸収されない),便として排泄させることが必要です.

引用元: 腎尿管結石/泌尿器科/診療科のご紹介/館林厚生病院.

シュウ酸を含む食品と、カルシウムを含む食品を一緒に食べる。

これが基本です。

ポイント

  • シュウ酸は水に溶けやすい
  • シュウ酸カルシウムは結合しやすい
  • シュウ酸とカルシウムが結合すると、シュウ酸カルシウム結晶になる
  • シュウ酸カルシウムは水に溶けにくい

食べ物に含まれているシュウ酸は、口→胃→腸へと進みます。シュウ酸は水に溶けやすいので、腸から吸収されます。腸から吸収されたシュウ酸は、血液中に溶けて最終的に尿を作っている腎臓にたどり着きます。

尿中にも一定のカルシウムが存在していますので、

  1. 尿中のカルシウムとシュウ酸が出会う
  2. シュウ酸カルシウム化
  3. シュウ酸カルシウムが大きくなる
  4. 尿路結石

という最悪の事態に発展する恐れがある訳です。

しかし、腸から吸収されない場合もあります。

もし、口・胃・腸のどこかで、シュウ酸とカルシウムが出会っているならば、シュウ酸とカルシウムは結合しやすいので、シュウ酸カルシウムになっているはずです。シュウ酸カルシウムは水に溶けにくいので、腸壁から吸収されない。そのまま、便と一緒に体の外に出て行きます。

要は、腸から吸収されるシュウ酸の量が多くなると、それだけ尿路結石のリスクが高まってしまうということです。

逆に、腸から吸収される前に、シュウ酸とカルシウムをくっつけてシュウ酸カルシウムにしておけばOK。

カルシウムは牛乳や小魚などに多く含まれています。

シュウ酸が多い食品一覧

「シュウ酸が多い食べ物」をネットで検索すると、大方次のような答えが返ってきます。

ほうれん草、緑茶、タケノコ、モロヘイヤ、さつまいも、レタス、ブロッコリー、チンゲンサイ、セロリ、大根、ナス、トマト、枝豆、未熟なバナナ、ピーナッツ、チョコレート、レモンの皮、コーヒー、紅茶、ココア、ビール

これだと多すぎて嫌な感じになりますよね。

シュウ酸の具体的な含有量を示した情報はほとんどないに等しく、どれくらい入っているのかも謎ですし、入っているかどうかすら怪しい。

こんな曖昧な情報に振り回されるのではなく、自分の目でシュウ酸を確認しましょう。

シュウ酸が増えているかどうかは「尿」を見れば分かる

実は、シュウ酸を目視で確認する方法があります。

尿が白っぽく濁ったら、尿中のシュウ酸カルシウムが増えているサインです。

尿を観察することによって、健康状態がいとも簡単に分かるのです。(腎臓はデリケートな機関なため、異常が現れやすい)

おしっこなんて汚い、と思う人もいるかもしれません。

しかし、こんな簡単な健康状態チェックは他にはないのです。採血とかと比べて負担も全くないですし。

自分にとっての水分の適量も尿を見れば分かります。

  • 尿の色が無色透明の場合、水の飲み過ぎ。
  • 濃い黄色や濃い琥珀色なら水分不足の傾向がある。

薄い黄色(麦藁色)であり、なおかつ透き通っていること。これが、健康な尿の特徴です。

その他の尿の異常

泡立ちが凄い

腎臓の機能が落ちており、タンパク質が尿に溶け出している可能性があります。最悪のケースだと人工透析の可能性もあるようです。

「ビールの泡のような細かい泡が長時間消えない」ときは危険信号です。

健康な人の尿でも、勢いが強ければ空気が入って泡が立ちます。「泡が立つ=病気」ではないので、あまり気にしすぎるのは良くありません。

どうしても気になる場合は、薬局で売っている尿検査キットで調べて、白黒ハッキリさせると良いでしょう。

ゴミのようなものが混じっている

膀胱は新陳代謝を繰り返しています。したがって、膀胱の細胞が剥がれて尿に混じるのは普通のことです。

多少のゴミは問題ないですが、あまりに大きかったり、大量のゴミが混じっている場合は異常だと考えられます。

独自に調べたシュウ酸を多く含む食品リスト(追記あり)

そんなわけで自分の体で実験してみました。

この文章を書いているのが夏なので、とりあえず夏野菜です。

この野菜を食べた後だけ濁ったので、シュウ酸が多いと考えられる食品

  • キュウリ(恐らく皮)
  • 茄子

追記:時間を掛けて観察してみたところ、糖分が足りないと尿が濁るようだという結論に達しました。

(朝イチは透き通った透明だが、朝食を食べないでいると昼頃のが濁る、夕食に白ご飯を食べた後は濁らないという理由から)
何の影響もなかったので、シュウ酸が少ないと考えられる食品

  • オクラ
  • 玉ねぎ
  • じゃがいも
  • ピーマン
  • トマト
  • シーチキン
  • 玄米
  • うどん
  • そば
  • スキムミルク
  • ホエイプロテイン
  • ヨーグルト

人によって体質が異なりますので、自分自身でチェックしてみると良いでしょう。

透明の瓶・紙コップなどに入れて見るのがベストかと思います。(トイレの水で薄まると正確さがなくなるので)

糖質制限、ベジタリアン、ローフード、などなど。世の中には様々な健康法があります。

尿のチェックは自分の健康法が正しいのかを客観的に見る優れたツールです。

ぜひとも、自分の健康度を確かめてみてください。

注)シュウ酸を含む食品を食べた後などに、一時的に濁る場合は特に問題ないと言われています。常時白く濁っている場合は異常です。膀胱炎などの可能性もあるので直ちに泌尿器科へご相談を。


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