「朝食は大事派」vs「朝食抜きで健康派」ご存じですか?東洋医学も朝食を推奨していることを。
朝食を食べる時間がない。食べるのが面倒くさいっ。
朝食を食べない1番の理由。それはやはり、時間がとれないからですよね。
学生でも社会人でも、朝はとにかく忙しい。朝の時間は一分一秒でも貴重です。
もう一つ、朝食を食べない理由で考えられるのが、ダイエット目的。あとは、健康法としての朝食抜きです。
さて。そろそろ、こんな疑問が湧いてきたのではないでしょうか?
- 朝食抜きは体に良いのか悪いのか?
- 朝食を食べないと、体にどんなことが起こるのか?
今回は、朝食の是非についての疑問に、答えを出していきたいと思います。
目次
私も、元々「朝食は食べない派」だった
朝食はしっかり食べましょう、というのが、世間一般の常識のようです。
テレビ・メディアなどでは、朝食はとるべきだと言っています。
しかし一方、インターネットや書籍などでは、朝食をぬいたほうが健康に良いという説が飛び交っています。そんなわけで、朝食は体に悪いと思っている人もいるのです。
私も「朝食は食べない派」でした。
以前は朝5時出勤の仕事をしていたこともあり、忙しくて食べる隙がなかったのです。食べて直ぐに動くとお腹が痛くなる、というのも、朝食を食べない理由の1つです。(自転車出勤だったので)
ところが、朝食について調べていく内に、少しずつ考え方が変わってきました。
『朝食は、食べたくないのに無理して食べる必要はないかもしれない。しかし、お腹がペコペコで朝ご飯を食べたいのに、無理して我慢することはデメリットのほうが多い。』
『朝食は量ではなく質だ』
というのが、今の私の意見です。そう考えるに至った理由を、これからお伝えしていきます。
まずは、賛成と反対の両方の意見に耳を傾けてみましょう。
朝食賛成派と反対派それぞれの論点一覧
朝食必要論
- 朝食を食べないと頭が働かない。
- 朝食を抜くと太る。(太りやすい体質になる)
- 朝食抜きは低血糖になって危険。
朝食不要論
- 朝食を食べないと、空腹に慣れ、朝食なしでも大丈夫な体になる。
- 食事の後は眠くなるため、朝食を食べないほうが頭がスッキリする。
- 朝食を抜くと一日の摂取カロリーが減るため、ダイエットになる。
- 朝は通勤などで忙しい時間帯。食後に動き回ると、胃腸に負担がかかるので、食べないほうが良い。
- 朝は排泄の時間なので、朝食は食べないほうが健康にいい。
こうして箇条書きにしてみると、朝食抜きの問題点が見えてきます。大きな争点として挙げられるのは「脳に与える影響」と「ダイエットに与える影響」と言えそうです。
朝食抜きが脳に与える影響
「脳の栄養がブドウ糖だから」
これが、朝食を食べないと脳が働かない理由です。脳の栄養は限られており、通常運転時はブドウ糖しか使いません。
ただ、これだけだと、食事が食べれなくなった時、糖分が不足して死んでしまいます。(絶食状態だと、約一日で体内の糖を使い果たすと言われている)
しかし、人間の体はそんなにヤワではない。一日くらいなら、全く食べなくても死にはしないはずです。
なぜ死なないのかと言うと、停電の時に切り替わる予備の電源のようなものが、私たちの体にあるからです。
その自家発電機とも呼べる機能こそ「糖新生」と「ケトン体回路」です。
- 糖新生は自力で糖を作り出す機能。
- ケトン体回路は文字通りケトン体を作り出す機能です。ケトン体はブドウ糖の代わりに利用されます。
この2つの機能をつかさどるのは、「人体の化学工場」と呼ばれる肝臓です。
朝食抜きがダイエットに与える影響
- 糖が不足。
- 脳がご飯を食べるように指令を出す、空腹を感じる。
- 空腹を我慢。
- 肝臓が自分で糖を作って脳に供給。
- とりあえず脳は満足するので、空腹感が消える。
空腹に慣れるプロセスって、結構複雑だったんですねぇ。
この機能のおかけで、朝食を食べなくても耐えられるというわけです。
「耐えられるなら朝食いらん」
と思われる方もいるかもしれませんが、この話には続きがあります。
「糖新生」「ケトン体回路」はあくまでも緊急事態用。糖を作り出そうにも、無から有を作ることは出来ません。
必ず、代価を支払う必要があるのです。
糖新生の副作用
糖新生では、主にアミノ酸から糖を作り出します。
仮に夕食が夜の8時だとすると、次の日の昼食(昼の12時)まで何も食べない場合は、16時間の断食となるわけです。
空腹の時はアミノ酸も不足しているので、筋肉を分解してアミノ酸を作り出すことになります。空腹時の糖新生では、筋肉が代価に支払われているということです。
筋肉が減れば、当然ながら基礎代謝も落ちてしまいます。
「朝食を食べないと太りやすい体になる」の具体的な理由は、どうやら糖新生だったようです。
ケトン体の副作用
ケトン体は、主に脂肪から作り出されます。
脂肪ならどんどん減ってくれて大歓迎と思いがちですが、やっぱりあるのが副作用。
まず、ケトン体が増えると体臭&口臭がきつくなります。
更に、ケトン体が出っぱなしの状態だと、だんだん体が酸性になって行きます。深刻なレベルになると、骨のカルシウムが溶け出して、尿と一緒に流れ出てしまうそうです。
まぁでもそんなに気にする必要もないかも。
上記の副作用は、あくまで長期的に栄養(糖)が不足した場合の話。朝食抜きくらいなら、たぶん大丈夫だと思われます。
たとえ、糖新生で筋肉が分解されたとしても、あとで栄養を補給すれば元に戻るそうです。
気血流注法 – 東洋医学の朝食に対する考え方
気血流注法とは、東洋医学の教えの1つで、人間の生体リズムに関する考え方です。
東洋医学の観点(気の流れなど)から、体の臓器と時間帯の関係を解明しています。
特定の時間帯になると、特定の臓器のパワーが高まる、というのが、気血流注法の教えです。
- 大腸の時間 – 午前5時~午前7時
- 胃の時間 – 午前7時~午前9時
- 脾の時間 – 午前9時~午前11時
- 心の時間 – 午前11時~午後1時
- 小腸の時間 – 午後1時~午後3時
- 膀胱の時間 – 午後3時~午後5時
- 腎の時間 – 午後5時~午後7時
- 心包の時間 – 午後7時~午後9時
- 三焦の時間 – 午後9時~午後11時
- 胆の時間 – 午後11時~午前1時
- 肝の時間 – 午前1時~午前3時
- 肺の時間 – 午前3時~午前5時
気血流注法では、朝の7時~9時に朝食を食べるように教えています。胃の時間が午前7時~午前9時だからです。
逆に、朝食を食べないと、胃に負担をかけると言われています。消化能力が高くなるタイミングに胃が空っぽなためです。
更に、朝食を食べないと、小腸にも負担がかかるようです。
食べ物は、胃で消化された後で、小腸に送られます。消化のためにかかる時間は、大体3~5時間ていど。昼の12時に昼食を食べたとすると、小腸の時間まで1時間しかない。
せっかく消化吸収のパワーが上がっているのに、食べ物が送られてこないので、小腸に負担がかかるというわけです。
ちなみに、大腸の時間に水を飲むと、便秘解消に効果的なんだとか。
朝食・昼食・夕食・1番重要なのは?
東洋医学の発祥の地、古代中国において、最も重要視されていたのは、朝食であったそうです。
朝食は皇帝の食事、昼食は皇子の食事、夕食は皇后の食事と呼ばれます。
とにかく量を多く食べるのが、皇子の食事、昼食です。逆に質素なのが、皇后の食事、夕食となっています。
皇帝の食事である朝食は、何よりも質(中身)が大事とされます。
運動をする人は夕食を重視したほうが良いかも。
実は、西洋医学でも、昼食多め、夕食少なめにするように教えています。
昼間は活動量が多く、夜は活動量が少ないためです。活動量の少ない夜に食べ過ぎると、脂肪がつきやすいと言われています。
しかし、私の場合は筋トレするため、質も量も夕食を重視しています。
筋肉は寝ている間に作られる。夜が粗食だと、筋肉を作る栄養が不足するんじゃないかと不安です。
最近では、夕方に筋トレした後で、夕食を食べるようにしています。
筋トレで疲れた後に食事したほうが、エネルギーの吸収効率が格段に上がるからです。
朝食は何を食べるべきか? – 結論
「食べ過ぎず、食べなさ過ぎず」
総合的に考えると、朝食は量より質ということが言えると思います。
では、特に意識すべきポイントは何でしょうか。
それは、糖質とタンパク質です。(汗をかく仕事の人は塩分も)
糖質が脳の栄養分なのは疑いようのない事実です。脳に速やかに栄養を届け、バッチリ働いてもらうためにも、糖分は必ず摂るべき。
食材例:季節の果物、米
筋肉が分解されないように、タンパク質も摂っておきましょう。
タンパク質はアミノ酸スコアを重視。アミノ酸スコア100の食材がおすすめです。
アミノ酸スコアが高いほど、タンパク質として利用される率が上がります。(100なら100%、70なら70%のタンパク質を作り出せる)
筋トレをしている人は、アミノ酸スコアの高い食品を食べれば、筋肉がつきやすくなります。
食材例:牛乳、卵(どちらもアミノ酸スコア100)。ヨーグルト、ホエイプロテインなど、牛乳から作られている物もアミノ酸スコアが100。
アミノ酸スコアを考えつつ、手間がかからない朝食としては、ご飯と大豆と鮭が考えられます。
(米+大豆でアミノ酸スコア100に。鮭のアミノ酸スコアは100)
忙しい人は、コンビニで鮭おにぎりと味噌汁、といったところでしょうか。
自分で作るなら、炊き込みご飯にすると手間がかからないです。材料は、鮭ほぐしと大豆の水煮ですね。シーチキンでもOKです。
食べ過ぎは塩分過多になるのでご注意ください。
(私の場合は、季節のフルーツを軽く食べるようにしています。あとは、気分次第でホエイプロテインやヨーグルトなども)
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